第9回全日本ノーギ選手権
YouTubeチャネル『JBJJF Japan Brazilian Jiu-Jitsu Federationより引用』
アダルトエキスパートライト級決勝
世羅智茂VS森戸新士
ポイント0-0 アドバン1-0
世羅選手はアドバン1をリードされて残り58秒しかない状況。(3:21:40~参照)
ここで世羅選手が森戸選手に仕掛けたシッティングからのタックルを解説します。
【解説】




世羅選手はリバデラから潜りを警戒する相手の左骨盤を右足で左後方に蹴って崩すことで相手の右足を左側に移動させます。


左広背筋を使って自分の左手で床を押して体を起こして、あぐらから大殿筋を使って両股関節を伸ばしてシッティングからタックルを仕掛けます。

相手の右足首は崩したことで手の届く位置にあるので自分の左手でグリップします。相手の左膝裏を自分の右手首と親指でフックして相手に両脚を引かれないように止めます。

右手の親指に下に向けると右広背筋が筋力を発揮しやすくなるため強烈に引き寄せることができます。逆に親指を上に向けてしまうと上腕二頭筋が働きますが広背筋が働きにくくなります。


相手の右股関節は外に捻れた状態になっているため右大殿筋が十分に働くことができません。そのため自分の左腕の筋力で制御することができます。

相手の右脚を床から浮かせ右広背筋を使って相手の右脚を引き寄せることで反時計回りのモーメントを発生させます。

右頬を相手の右腕に押し付けてさらに反時計回りのモーメントを発生させます。

相手は右脚に体重を乗せることができないため自分の左脇に右腕を刺せていますが機能しません。

体は正面方向の力に対しては強く対抗できますがベクトルを真横にずらされると対抗できなくなります。

相手の腰を床に着けさせてからも前方に体重をかけて相手の右手で自分の左脇を刺されないようにプレッシャーを掛け続けます。


相手はスイープのポイントが入らないように腰を浮かそうとしてきますが、自分の体重が相手のおしりに掛かるようにすることで動きを止めつつ、自分の両脚を軽くしておきます。試合では一瞬浮いていました。


相手が右手を自分のお尻へ移動させると、相手の右手で自分の左脇を刺せなくなのでバックを防ぐためのフレームがなくなります。


相手の右脇にスペースができるため軽くしておいた両脚に体重を移動させることで時計回りのモーメントを発生させて上体を起こしてバックを狙います。

相手はバックでのポイントを取られないように立ち上がりながら腰の両サイドから脚が入ってこないようにブロックしてきます。
試合はこのまま前転してパローとなり、世羅選手はバックのアドバン1を取りアドバン1-1に並びます。
レフ判の結果、世羅選手が優勝となりました。
私は世羅選手と森戸選手どちらも応援していたので次回の対決が楽しみです。
最後に
読んで頂いてありがとうございます。
YouTubeチャネル『Carpe Diem BJJ Aoyama』で世羅選手の様々なテクニックを学ぶことができますのでよければご覧下さい。
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