理学療法士の一般的なイメージは
リハビリの先生という感じでマッサージしたり平行棒を歩く患者さんの隣にいるイメージで実際何しているかよくわからない!!
という方が多いと思います。
同じ医療従事者である内科の医師や看護師との大きな違いは運動学という学問を学んでいることです。
整形外科の医師は手術や診断に必要なので運動学を学んでいます。
運動学は筋肉や関節がどのような物理法則で動作を成立させていくのかを解き明かす学問です。
マイキー・ムスメシも医学部で運動学を学んで柔術に応用しています。
理学療法士は特に立ち上がりや歩行動作を分析するプロフェッショナルです。
(※画像のような状態にならないように隣で脇を支えて歩いています。)
患者さんが歩行中につまずいた場合はどうしてつまずいたのか原因を考えます。
「つまずく」という現象を掘り下げて考えます。
関節が硬い、筋力が弱い、筋肉が硬い、感覚が鈍い、痛み、麻痺している、痺れ、反射、手足の長さ、太さ、視力、平衡感覚etc
複数の可能性を検査で確認して消していきます。
残った原因で可能性の高いものを施術して治します。
この作業を毎日繰り返しています。
患者さんのつまずいた前後の姿勢・動作は記憶しておかないと考えることができないので動作を詳細に思い出すことができます。
これは特殊な能力ではなく訓練で身に付けることができます。ある程度の経験年数の理学療法士なら誰でもできます。
私が柔術の技のCGを作って説明できるのはそのためです。
文章で説明するより目で見た方が遥かにわかりやすいので作成しています。
私が患者さんに施術する時は「症状の原因」や「今からどのような施術をするのか」わかりやすく説明できないと不安にさせてしまうので専門用語を噛み砕いて説明する癖もついています。
わかりやすく説明できないということは自分が理解できていない状態ですし、文章にすることでさらに自分自身の理解が深まります。
ブラジリアン柔術への応用
ブラジリアン柔術の技を教えてもらった時に
「あれ?力を入れていないのに相手をコントロールできた」
という経験があると思います。
あの感覚も「現象」であり掘り下げて考えることで原因がわかります。
ブラジリアン柔術の技を分析する時のポイントは3つあります。
②てこの原理を利用している
③自分の体重を利用している
大きな筋肉を効率よく使う
大きな筋肉を使って技をかけると楽に感じます。太い筋肉は力が強いからです。
ハムストリングス→膝を曲げる
大殿筋→股関節を後ろに引く
大胸筋→腕を内側に動かす
広背筋→腕で引っ張る
大抵は上記の筋肉を使っています。
筋力を効率よく発揮するには最大筋力をだせる関節の角度で技に応用する必要があります。
てこの原理
筋肉の力をそのまま相手に伝えるよりもてこの原理を利用して数倍にすることができます。
相手が大きい筋肉の力を使ってきた場合に対抗するために利用することもあります。
体重を利用する
パスガードは体重を利用するイメージがしやすいですがガードでも体重を利用することができます。
わかりやすい表現だと「ぶら下がる」ということです。
ぶら下がると相手は自分の体重を支えないとベースが保てないため疲れます。
そこに体重+筋力+てこの原理が働くことで楽にスイープすることができます。
体重が軽い階級だとトップで自分の体重を利用するメリットが少ないため、お互いボトムになりたいのでダブルガードの展開になります。
逆に体重が重い階級だとトップで体重を利用するメリットが大きいため、お互いにボトムになりたくないので立ち技の展開になりやすい傾向があります。
まとめ
技を分析する時のポイント3つ
①大きな筋肉を使う
②てこの原理を利用している
③自分の体重を利用している
最後に
私は患者さんを観る時も柔術の先生を観るときも謎解きをしているようで楽しいです。
運動学をしっかり学ぶ必要はなく大きな筋肉がどんな働きをしているのか知るだけでも体の使い方や技の見え方が変わります。
技の原理が理解できればひたすら打ち込みで体に染み込ませて、シチュエーションスパーやスパーで相手を変えながら試すのみです。
読んで頂いてありがとうございました。Twitterでいいね、リツイートしていただけるととても嬉しいです。
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