この記事を読むと絞め技で落ちる(失神する)理由がわかります。
結論:反射を利用して落とそう。
【落ちる理由】
ブラジリアン柔術では首の血管を圧迫する行為は反則ではありません。相手が落ちそうになればタップしてくれますし、タップしなければ落ちるだけです。
首の太い血管(頸動脈)には血圧を感知するセンサーがあります。高圧を感知すると脳が危険な状態にならないように安全装置が働いて反射的に心臓に血圧を下げるように命令するようになっています。血圧が下がると落ちます。(頸動脈洞性失神)
チョークは頸動脈を圧迫することで高血圧になっているとセンサーに勘違いさせることで反射を利用して相手を落とす技です。
もし落ちてもチョークを解除して上向きに寝かせて足を高く挙げて脳に血液を戻してあげれば意識はすぐに戻ります。試合で落ちても審判が蘇生してくれるので安心してください。
落ちること繰り返すと癖になり、落ちやすくなるので早めのタップを心がけましょう。落ちグセは迷信説がありますが私の知り合いにいます。
ちなみにブラジリアン柔術におけるチョークは気道を塞いで酸欠状態にすることが目的ではありません。気道を塞ぐ行為は窒息死するリスクがあります。
『気道を圧迫すること』と『頸動脈を圧迫すること』では圧迫する位置が違います。
気道は前にあり、頸動脈は横にあります。そのため頸動脈の反射で落とすことが目的であれば絞める時の圧迫する位置が変わるため体の使い方も変わります。
【首の骨を捻じる危険性】
ブラジリアン柔術では首の骨を捻じる行為は反則になります。捻じる行為が禁止されている理由は重度の後遺症が残ることを避けるためです。
首の骨には頚髄(けいずい)という神経の束が通っています。曲げる+捻る動きが加わり、さらに落ちた際には全身が脱力してしまうので首の骨に一気に負担がかかって神経を損傷することがあります。
頚髄の上の方の1~3番目が損傷すると横隔膜という呼吸に必要な筋肉が麻痺してしまうので呼吸が停止して死亡することがあります。生命維持に人工呼吸器が必要になる危険な状態です。4番よりも下の頚髄を損傷しても部位によって首から下の感覚がなくなります。さらに体を動かすこともできなくなり重度の後遺症が残ります。
交通事故後、首を固定して救急車に運ばれるのは頚髄損傷の悪化の危険性があるからです。
もし現場に遭遇した場合は動かないように教えてあげましょう。その人の人生が変わってしまう可能性があります。
頭部や顎と体を固定して捻ってしまうと首の神経が損傷する可能性があるので注意しましょう。
この条件に当てはまる技としてはネッククランク、ツイスターがあります。明らかに首を横方向に捻っているのでブラジリアン柔術では反則になります。
注意点
チョークを仕掛ける時は明らかに横方向への捻りは加えないようにしましょう。
逆に相手が横方向の捻りを加えてきたら我慢せずにタップしましょう。
手足に痺れや脱力感などの症状が出現した場合は受診をおすすめします。
最後に
ギロチンチョークの物理法則
他にもグラップリングでも使えるチョークの詳細な体の使い方については今後、記事にしたいと思います。
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